新型コロナウイルス感染症が日本でも徐々に広がりつつあり、先天性心疾患患者さんならびに患者さんご家族の皆さんにおかれましては、ご心配のこととお察しいたします。この病気の特徴は徐々に明らかになりつつありますが、先天性心疾患患者さんへの影響はまだまだわかっておりません。本ホームページでは、一般的な感染予防とともに、先天性心疾患患者さんが気をつけるべき注意点について簡単にお知らせしたいと思います。
1)新型コロナウイルス感染に関する一般的情報と注意事項
厚生労働省のホームページに一般的情報と疑問に対するQ&Aが掲載されています。
随時更新され、かなり詳しく記載されていますので、参考にしてください。
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/
dengue_fever_qa_00001.html
2)先天性心疾患患者さんでの注意事項
1. 手術の有無にかかわらず、経過が良好で、お薬もなく、外来通院のみをされている、もしくは通院が終了している方:
一般の方々と同じレベルでの感染予防と注意を実行してください。
2.心臓に遺残病変があり、かかりつけ医や専門病院に通院して内服治療を受けておられる方:
新型コロナウイルスは、心臓病などの基礎疾患のある方には重い肺炎を引き起こすことがあります。そのような状態になると、心臓の病状にも悪影響が出る可能性がありますので、一般の方々よりも一歩踏み込んだしっかりとした感染予防を実行してください。
3.心不全、肺高血圧、フォンタン手術後などで定期的に通院をして内服治療を受けている方:
このような患者さんが新型コロナウイルスに感染して高熱や肺炎を引き起こすと、心臓の機能だけでなく、肺循環や呼吸機能に大きな影響が出て、一部の患者さんで重篤化する可能性が懸念されます。一般的な感染予防を厳重に実行するとともに、地域によっては人混みへの外出はしばらく避けるなど、十分な感染予防と注意が必要です。
4.本ウイルスの感染が疑わしい場合:
各都道府県のホームページの情報を確認するとともに、寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。また、患者さんご本人の心臓の病気への影響に関しては、かかりつけの病院および主治医の先生にしっかりとご相談ください。
3)その他の参考となる情報
- 日本小児科学会ホームページ
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326 - 文部科学省ホームページ
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index.html
2020.3.3 研究班事務局