障害者手帳を取得していると、所得税や住民税などの減免、電車やバスなどの交通運賃の割引、車椅子や補装具などの支給、就職支援などを受けることができます。このうち、就職支援については後で詳しく説明します。
小児慢性特定疾病に認定されていると、各自治体が実施する小児慢性特定疾病児童等自立支援事業を利用することができます(必ずしも認定されていなくても利用可)。この事業は、こどもの自立や成長のために地域資源を活用することを目指し、2015年度から始まった新しい事業です。実施されている内容は自治体によって異なりますが、小児慢性特定疾病児童等自立支援員への相談、学校との調整、ピアカウンセリング、きょうだいへの支援、就労支援などが行われています。
難病に認定されていると、各自治体が実施する難病相談支援センターなどを介して、日常生活や各種手続きに関する相談、就職支援などを利用することができます。小児慢性特定疾病児童等自立支援事業と難病相談支援センターは併設されていることもあり、継続的な支援を受けることもできます。
所得保障
主なものに特別児童扶養手当と障害基礎年金があります。特別児童扶養手当は、重度、中等度と認定された20歳未満の病児を家庭で扶養している保護者に支給されます。支給額は1級で月額約5万円、2級で月額約3万5千円です(受給者本人と扶養義務者の所得による制限があります)。
障害基礎年金は一定の障害の状態にある20歳以上の方に支給されます。支給額は1級で月額約8万円、2級で月額約6万5千円です(受給者本人の所得による制限があります)。これらの手当ては、年齢や症状、ある1日の状態だけで判断されるのではなく、一人ひとりの状態に応じて、一定期間(医師が判断)の状態により、総合的に認定されます。
2019年3月
横浜市立大学看護学専攻がん・先端成人看護学 准教授
落合 亮太